著作

自治体職員のためのIT指南


この本を出版したのは2002年と、8年前になりますが、インターネットの出現を中心とするアメリカから始まったIT革命を契機として、民間企業ではITを経営改革の道具として導入してきました。

自治体にとっても、ITの導入には経営改革のための様々な目的があります。しかし基本的には、民間企業がITを導入する目的と違いはありません。IT導入に当たっては、その目的を正確にとらえ、目的実現のために最小の経費で最大の効果が上がるようにすることが重要なことです。

IT導入の目的の主なものとしては、経営における意思決定を迅速にすること、住民サービスの質を向上させることなどが挙げられます。インターネット出現以前には、定型反復的な事務処理の機械化など自治体業務プロセスの一部にコンピューターが入っていたにすぎなかったのですが、現在は日常行っている自治体の政策に関する意思決定や住民からの申請、届出などの事務処理サービス、さらには、ITを活用した行政への住民参加といったいわゆるデジタルデモクラシーに至るまで、様々な目的や分野でITが活用されています。このことは、インターネットの特質によるものですが、この本では、このインターネットの特質に触れながら、主としてインターネットを活用した自治体のIT導入について、様々な観点から、その意義や留意点について述べています。

この本におけるITの活用は、自治体の経営を民間で行われている経営改革手法を導入して改革する、ニューパブリックマネジメントという概念に近い立場であり、民間企業においても、ITを導入していこうとする立場にある方々の参考になることを期待します。特に、この本で述べているホームページの進化過程では、現在でも多くの企業がその途上にあるため、今後の方向性を考えていく上で、参考になるのではないかと思います。